入力日 | 2017-04-28 | 閲覧 | 5130 |
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タイトル | 方言の話7 | ||
内容 | 今回は「とーぜんなか」(退屈だ、寂しい)についてのお話です。 これも古い意味があり「新明解古語辞典(三省堂,1983)」には「とぜん(徒然)することがなくて、退屈でさびしいこと」と書かれ、「とーぜんなか」はこの「徒然なり」が変化したものと考えられます。「徒然」といえば吉田兼好(兼好法師)が書いたとされる随筆「徒然草(つれづれぐさ)」が有名で、冒頭の「つれづれなる」がこの「徒然なる」です。 古語では「退屈」「所在無い」の意味もありますが、方言では独りで留守番していた子供を「とーぜんなかったねー」とねぎらったり、大勢で過ごすはずの時間が思いがけず自分だけになって「とーぜんなさー」とぼやいたりと、「退屈」よりも「寂しい」が強いようです。 徒然なるまま硯に向かった吉田兼好と違い、「担当がわがひといでとーぜんなか(担当が自分一人で寂しい)」のが筆者です。 文化財専門員:ケンジロウ
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